空間領域の家

都市型住宅において、限られた25坪の敷地に駐車2台を確保したいというクライアントの要望を受け、空間効率の最大化を目指しました。

駐車スペースを確保しながら、1階の居住空間を最大限に活用する「空間のエフィシェンシー」を追求しています。

建物の基礎部分が敷地に占める面積、「フットプリント」を最小限に抑え、建物両サイドにスラブオーバーハングを施すことで「フローティング」とした。これにより、限られた敷地内でも駐車スペースと居住空間の共存を可能とし、空間効率の最大化を実現しました。

住宅密集地での一般的な生活では、視覚的プライバシーを確保するために、昼間はレースカーテンを閉め、夜は厚手のカーテンを使って閉めざるを得ないことが一般的だが、この住宅ではカーテンを使用しない開放的な生活を考えました。

2階にはL型の中庭と1畳ほどの小さな中庭を配置し、この形状の異なる2つの小さな中庭を挿入することで、その上空から間接的に採光と通風を取り入れます。

この外部空間を取り込んだ「オープンエア空間」は、プライバシーを守りながら、昼夜を問わずカーテンを閉めることなく、自然の変化を感じながら生活できる環境を実現します。

内と外を緩やかにつなぐ「中間領域」という、日本特有の繊細な空間快適性を体現するものであり、自然の一部として暮らすことこそが、空間の本質であると考えます。